ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

レディ・オア・ノット / 本当は怖い「かくれんぼ」

f:id:madamkakikaki:20201003030534j:plain

大富豪ル・ドマス家の次男アレックスと結婚したグレースは 「新しく一族に加わる者は、必ずゲームに参加しなければならない」という奇妙なしきたりを告げられ、戸惑いながらもそれに従う。
ゲームを決めるために彼女が引いたくじは「かくれんぼ遊び」で、夜明けまでに捕まえられなければ彼女の勝ちになるというものだった。

グレースは少し時間を与えられ、邸宅内のある場所に隠れる。まさかこのゲームが自分を殺すための恐ろしい儀式だとは知る由もなく…。



予告編で俄然興味をひかれ、しかも日本未公開というのでDVDレンタル開始を首を長くして待っていた『レディ・オア・ノット』 です。いやー面白かったですねえ!!


結婚して一族の仲間入りをするにはゲームをしなきゃいけないという謎のしきたりにまずびっくりするんだけど、このル・ドマス家がボードゲームの販売で財を成した一族だからということで百歩譲って納得。

しかしそれを延々と守り続ける理由がどう考えてもおかしい。てか 一族みんなあたまおかしい。


f:id:madamkakikaki:20200815191642j:plain 一族のイカれた皆さん


グレースが「かくれんぼ」を引いたとき、一瞬みんなの顔が青ざめます。
実はゲームの中で唯一 “ターゲットを殺す” のが「かくれんぼ」なんです。しかもこの30年間、誰もそれを引いたことがなかった。

冒頭の、花婿とおぼしき男性が矢で胸を射られるシーンはまさに30年前の「かくれんぼ」だったんですね。
そしてその場に居合わせた幼い少年二人が、アレックスとその兄ダニエルというわけです。


まさかグレースが「かくれんぼ」を引き当てるなんて思ってもみなかったアレックスは、彼女にスニーカーを履かせて逃がそうとします。
そしてこのゲームが冗談ではなく本当に命を狙われていると悟ったグレースは、逃げる途中で邪魔になるドレスの裾を破り、自らも武装して一族と戦う決心をします。


f:id:madamkakikaki:20200815191552j:plain 殺される前にアタイが殺してやんよ!


と言っても多勢に無勢、戦うより外に逃げるほうがいいんじゃないの? でも頑丈に施錠された屋敷からどうやって?

さあここからはグレースになったつもりで必死に逃げよう。 走って、隠れて、とにかく逃げろ!逃げまくれ!!
もうね、とんでもなく酷いことがたくさん待ち受けてるから大変だよ。痛いし臭いし(ここポイント!) 。
見てるこっちもゼーハーして、わたしゃもう息も絶え絶えでごわした。



おとなしくて非力っぽい可愛らしいヒロインが突如覚醒して殺人マシーンになる映画と言えば『サプライズ』 が思い浮かびます。

ただ、あれは「実はあたまのおかしいお父さんから殺しのスキルを叩き込まれたSUGEE女の子だった」というオチだったのでグレースとはちょっと違うんですが、ヒロインのぶっ飛んだ変貌という点では同じです。


馬鹿げたしきたりに囚われて人殺しをも厭わない一族と、それを結婚式当日まで隠していたアレックス。絶対に許せねえ!!

というわけで、


f:id:madamkakikaki:20200815134257j:plain
こんなに可愛い花嫁さんが


f:id:madamkakikaki:20200815134321j:plain
どんどんボロボロになって


f:id:madamkakikaki:20200815134411j:plain
終いにゃこう!!



特にアノ人をボコボコにするあたりは凄かったですよね。
あのシーンでビビりながらも心のどこかで爽快感を味わった嫁はわたしだけではないでしょう。え、違う?ヽ(°∀。)ノアヘ


まぁそれはともかく、あんな一族は全滅して当然なので、ほんとにスカッとするラストで良かったです。
でも最後までこっそり味方でいてくれたあの人が死んじゃったのは残念でした。実はあの人だけが人としてまともな心を持っていたんですよね。

ああいうキャラクターの意外性、いいですね。アレックスに関しても、終盤でガラリと見る目が変わりましたもんね。


本作はミステリーとしては単純だけど、登場人物たちの突飛なキャラクターそのものが伏線になっているので観る側もストーリーに乗りやすい。
と思ったら、その中で幾つか予想を裏切られる。いやはやこれは見事などんでん返しですよ、あっぱれです。



結局このル・ドマス家がやっていたのは「悪魔崇拝」です。
なんでも元々貧乏だったご先祖さまが、富と名声と引換えにナントカ(名前を忘れた)という悪魔に魂を売り、忠誠の証として生贄を捧げてきたとのこと。
先ほど臭いと書いたのは、この生贄と関係があります。勘のいい人はわかるかな。

いやー、あれは本当にイヤだよ、あんなとこに落ちたら最悪なんてもんじゃない。
『ディセント』のウンウン💩池のほうがまだましだよぅ〜 (あっちも相当イヤだけどね)



『ディセント』の感想はこちら↓↓↓

berukocinema.info



それにしてもゲーム好きの悪魔とはね(笑)
悪魔崇拝系のホラー映画は古今東西いろいろあるし けっこうグロくて怖いものが多いんですが、本作は血みどろスプラッターのわりに軽快で観やすい演出になっているので、よほど「痛い描写が無理」な人でなければかなり楽しめるのではないかなあと思います。

f:id:madamkakikaki:20200815155849j:plain


世の中にはこの一族のように富や名声や権力に目がくらみ、さながら「悪魔に魂を売る」ようなことをしでかす人々がいますが、そんな輩には必ずや天罰が下るでしょう。てか下れ!
お金は無いよりあったほうがいいけれど、やっぱりわたしは身分相応に、贅沢せずとも家族と楽しく暮らしていければ十分幸せだなあ。


というわけで、「こんな玉の輿はイヤだ」のお話でした。
ちょうおもしろいからもう一回観よ。




作品情報
▶原題 Ready or Not
▶監督 マット・ベティネッリ=オルピン, タイラー・ジレット
▶脚本 ガイ・ビューシック R, クリストファー・マーフィー
▶製作年 2019年
▶製作国 アメリカ
▶出演 サマラ・ウィーヴィング, アダム・ブロディ, マーク・オブライエン