ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

アルゴ / クソッタレ映画に命を懸けた男

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アルゴ (2012年 アメリカ) ARGO / 監督:ベン・アフレック


イラン革命後のテヘラン。反米デモ隊によりアメリカ大使館が占拠される直前に脱出した6人の外交官は、近くにあるカナダ大使の公邸に匿われた。
これを受けてCIAのトニー・メンデス(ベン・アフレック)は『アルゴ』という架空のSF映画をでっち上げ、彼らをロケハンスタッフに偽装させ秘密裏にテヘランを脱出させるという奇想天外な作戦を立てる。


1979年11月にイランで発生した「アメリカ大使館の占拠及び人質事件」に際し 実際に行われた救出作戦のお話です。
この作戦は「カナダの策謀」と呼ばれており 字面だけ見るとあまりいい感じはしませんが、要はカナダ政府とアメリカCIAによる共同作戦なんですね。

この事件では50人以上の人質が取られたそうですが、人質・デモ隊ともに死者が出なかったというのが驚きです。
そしてそれと同じくらいびっくりするのが「SF映画でっち上げ」というこの発想ね、いかにもアメリカっぽいと言うか それに大統領がOKを出すというのもアメリカらしくていいですね。
( ちなみに本作DVDの特典映像にはカーター元大統領のインタビューもあるよ )

f:id:madamkakikaki:20200713115001j:image は?自転車で脱出させるとかバカじゃね?

 

で、結論から言うとこの映画たいへん面白かったです。
映画の中で偽映画を立ち上げるわけだけれども、会話の中にちょいちょいハリウッドの悪口が挟まれていたり映画製作の裏話的な場面があったりするのは なかなかシニカルで興味深かったですね。
てかあれは、ベンアフが日頃思ってることをそのまま言わせたんじゃねぇのたぶん、知らんけど。

空港で革命軍の兵士に足止めされたとき、作戦決行に一番消極的だったあの人が咄嗟に絵コンテを出してスラスラ説明し出したところはすごく良かった。
たぶん口から出まかせなんだろうけど、ちょっとあの人のこと見直したよ( ←何様w)。
疑ってた兵士たちも興味津々で聞いてたもんね。てかあの絵コンテ、オレもほしい。

 

f:id:madamkakikaki:20200730191335j:image 空港のシーンはハラハラしたなあ


「Gメンみたいな人が来るのかと思ってた」「いやGメンはFBIです」なんてのも面白いし、プッと(控えめに)笑えるような小ネタがちょこちょこあるのも観やすい要因かと思います。
自然で流れるようなカメラワークも良かったし、抑えた緊迫感というか重厚感というか 全体を通してチープさが全く見られないのですよね。
これは本当によく出来ていると思います。あらためてベン・アフレックすごいな。

エンドロールでご本人たちの写真が出るのですが、まあこれが役者さんとクリソツで笑っちゃいけないんだけど笑ってしまいましたごめんなさい。
何はともあれ皆さんが無事に帰国されて本当に良かったです。

そして 昨年78歳で逝去されたトニー・メンデス氏のご冥福をお祈りします。