ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

ザ・マミー

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ザ・マミー (2017年 メキシコ) VUELVEN / TIGERS ARE NOT AFRAID

 

ストリートチルドレンの生き様。


えーと、とりあえず日本版ポスターのね、「ママが殺しにくる」なんて的外れどころか大嘘の、お前ほんとに映画観たんか?と小一時間問い正したくなるようなキャッチコピーつけた担当者はママに謝れ。なんならいっそトラに食われてしまえ!!
ちなみに原題は「戻ってくる」というニュアンスの言葉だそうです。おい担当者、間違ってもママは殺しになんか来ないからな。

ギレルモさんやステキンさん(なんやヒカキンみたいだな) が絶賛したのはわかりますよ。
ジャンルはホラーとなってますけれど、正確に言うとホラー要素を上手く取り入れたダークファンタジーかつ社会派ドラマですね。

マフィアが好き放題のさばるメキシコで 親を殺され悲しみや怒りに打ち震えながらも強く生きようとする子供たちの生々しい姿がそこにあります。彼らは親に読み聞かせてもらった物語に出てくるトラのように、何者をも恐れない強き者であろうとします。
まあそれでも子供ですから、あまりの恐怖心で怖いものが自分に付きまとっているような感覚におちいることもあります。主人公のエストレアが見ているものはまさにそれですね。
これをね、怨霊になったママがエストレアをあの世に引きずり込もうとしたと解釈したとしたら相当のポンコツ頭ですね。この際小学一年生の国語からやり直してくるといいよ!

というわけで、若干荒削りなところはあるけれど本作が脚本・監督ともに初作品というイッサ・ロペス監督。いやー、いい仕事してまんな。ぜひこれからも頑張っていただきたい。

さきほどトラの話に触れましたが、本作では壁の落書きだったり子供の一人が抱えているぬいぐるみだったりと、至る所にトラが出てきます。なんだったら動いたりします。このへんのポップさがまたいいですね。トラのぬいぐるみが動くシーンは実写版プーさんのようで可愛いですよ。プーさんはクマですけどね。

この映画は子供たちが主役です。明日の命をも知れぬ劣悪な環境で必死に生きるストリートチルドレンです。その日々は戦いでもあるし冒険でもある。

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あんな小さな子供たちが 自分の親が連れ去られて拷問の末殺されたことを自覚しているなんて、あまりにも残酷じゃないですか。できるなら戻ってきてほしい、もう一度ママに会いたい。それが無理なら自分が仇を打ちたい・・・そんなことを子供に言わせてしまう社会が現実にあるのですよね。

もうほんとにね、ばかな大人のばかな行為のせいで死んでいった子供たちの魂が安らかであるように願うばかりです。
途中から胸が苦しくて苦しくてたまらなかったんですが、あのファンタジックなラストシーンでどうにか救われました。
えらく酷評する人もいるようですが、わたしはこの映画すごく良かったと思いますよ。

だ ・ か ・ ら ・ ね、 最後にもう一度言わせてくれ。

「ママは殺しにこない!!」


 

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  • 発売日: 2019/04/26
  • メディア: DVD