ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

裏切りのサーカス

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裏切りのサーカス (2011) Tinker Tailor Soldier Spy


サーカスというのはイギリス諜報機関MI6の隠語です。二重スパイを示す「モグラ」という隠語や、「ハニートラップ」という言葉を世に出したのは、この映画の原作本の著者ジョン・ル・カレなんだそうですよ。

さて、多くの人が難しいと言うこの映画ですが、お話自体はさほど難しいものじゃありません。冷戦時代のことを詳しく知っておかねばということもないし、わけのわからないミステリーでもない。ただ、とにかく時系列が混ぜこぜで「これいつの話?」と戸惑ってしまって、えらく難しいように感じてしまうんですね。
実際わたしも一回観ただけではとても感想など書ける状態ではなかったので、時間をおいてもう一度観て、やっと今書いています。今ならね、解説文も書けますよ。ネタバレになるから書きませんけど。わはは。

登場人物たちはスパイですから、いつ何時も表情を変えません。主人公(ゲイリー・オールドマン)も、観客も、誰がモグラなのかさっぱり見当がつきません。キャストからみてたぶんあの人じゃね?と思った人もいるかもしれませんけど、まあそれはさて置き。ゲイリー・オールドマンをよーくみていれば、真相が次第にわかってきます。

犯人探しもいいけれど、本作の味わい深いところは何と言っても「大人の名優たちの渋い演技」でしょう。腹の中を表に出さない。もったいぶるような動作。意味深な言葉。本当のスパイ活動ってこうなんだな、と思えるリアリティがある。
それもそのはず、著者のジョン・ル・カレはMI6の元諜報員なんですよね。どうりでスパイ小説をたくさん書いてるわけだ。故フィリップ・シーモア・ホフマン主演の「誰よりも狙われた男」なんかもそうですね。

派手なアクションも奇抜なガジェットもないけれど、スーツの渋いおじさまたちが水面下でこそこそしてるんですよたまらんですよ。
モグラを探し出す話の中に、枯れつつある大人の哀愁とか愛の物語なんかが上手く組み込んであるのも粋だなあと思いますね。まさに大人のスパイ映画でありましょう。や、良かった。 日本でレイティング入ってるのは死体の描写でしょうかね。けっこうえげつないもんね。


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