ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

スリー・ビルボード

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スリー・ビルボード (2017) Three Billboards Outside Ebbing, Missouri

 

娘を殺された母親が、7ヶ月たっても捜査が進展しないことに業を煮やし、警察署長を名指しで批判する看板広告を出しました。

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この映画、いい方向に行ってるのかよくわからない物足りない感じで終わります。でも実際、未解決事件というのはこんなものなのかなあとも思います。決して良くはないけれど。

現代はネット社会で、見ず知らずの人に対しても一方的な感情で批判したり攻撃したりを簡単にできてしまう。逆に、あんたはこの人の事を知りもしないで何を言ってるんだと、非難されている側を擁護する人も出てくる。
さてどっちが悪いんですかとなったとき、明確な答えが出せない事案もあるわけで、どっちもどっちだろうとか、誰だって良い所も悪い所もあるよね、とか言いながらなんとなーく収まった、なんてことも多々あろうかと思います。

本作では、そういったヒートアップとクールダウンを町ぐるみで非常に上手く描いていて、特に主人公とクズ警官(サム・ロックウェル)との関わり方なんかは凄まじいものがあります。いや、凄まじいというより面白いというべきか。無茶苦茶だよね、この2人。

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結局わたしは誰にも感情移入できないまま淡々と観終わったのだけれど、それでもこのお話は、心にずしんと重いものを残して行きました。
それはおそらく、誰かの犠牲の上に別の誰かの成長があったり、強烈な「何か」によって人は変われることもあるのだということを見れたからだと思います。


たやすく感情移入できたり泣けたりするのがいい映画かというと、それは全く違う、とわたしは思っているのでね、まあそういう意味でこの映画は高く評価すべき作品だと思います。