ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

縞模様のパジャマの少年 / その代償はあまりにも大きく

f:id:madamkakikaki:20200821213241j:image

縞模様のパジャマの少年 (2008年 イギリス・アメリカ) The Boy in the Striped Pyjamas / 監督:マーク・ハーマン

 

8歳の少年ブルーノは、軍人である父の昇進に伴いベルリンから見知らぬ田舎に越してきたが 遊び相手もおらず退屈な日々。

家を抜け出し探検しているとフェンス越しの「農園」に行き着き、そこで縞模様のパジャマを着たユダヤ人の少年シュムールと出会い 二人は次第に仲良くなっていく。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

(撮影当時)ちびっ子のエイサ・バターフィールドの眼力がすごい。ホームドラマ風でありながら戦争とホロコーストの残酷さを衝撃的に描いています。


昔の映画で言えば『禁じられた遊び』や『アンネの日記』、近年の作品だと『ブラック・ブレッド』『やがて来たる者へ』『悪童日記』など 子供の目線で戦争を描いた映画というのは、その無知や無邪気さゆえに 戦闘シーンや人が死ぬ直接描写がなくても非常にリアルに残酷に、相当な説得力をもって心に突き刺さってきます。

↓↓↓感想はこちら↓↓↓

『ブラック・ブレッド』

『やがて来たる者へ』

『悪童日記』

 

この映画は強制収容所の中ではなく外、つまり収容所所長であるナチス将校の家族の話です。
ブルーノは窓から見える収容所を農園だと思っていました。両親は何も教えてくれないどころか、屋敷の外に行っちゃダメと言う。

でもダメと言われたらやりたくなるのが子供、お母さんの留守を狙ってこっそり探検に行っちゃうぞ。わーい!

f:id:madamkakikaki:20200731002625j:image

このあたりは普通のホームドラマとたいして変わりません。と言うか全体を通してホームドラマなんだけど、やがてブルーノとシュムールが無邪気に友情をはぐくみ、ある理由から友情の証である「探検」をしに一緒に向かうという、まるで童話のような展開になっていくんですね。


でも二人は知らないんです。そこで本当は何が行われているのかを。



f:id:madamkakikaki:20200731002650j:image

 

いや・・もう・・・なんで?

 

 

・・・絶句です。

 

 

 

あんなことがあっていいのか、子供だから何も知らなくていいのか。
事実を語らず、事実から子供を遠ざけた大人たちの罪の代償があまりにも大きすぎて、最後はもう、一人阿鼻叫喚状態でどうしようもありませんでした。

ドイツ人だのユダヤ人だの敵だの味方だの言ってる場合かこんちくしょう!!


ちなみに本作は「子供が観る場合には助言・指導が必要」いわゆるPG12指定作品でありますが、わたしはむしろ積極的に子供にも観せるべき映画だと思います。
できれば家族で観て 分かりにくいところは親がしっかりと教え、子供自身に考えさせる。

歴史や戦争、命の重みに関して子供が知らなくていいことなんて、一つもないのですからね。