ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

テイク・シェルター

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テイク・シェルター (2011年 アメリカ) Take Shelter

大嵐が来るぞ!!


巨大な嵐による終末の悪夢に取りつかれた男が家族を守るためにシェルターを整備しようとするお話。
彼は精神病なのかそれとも予知夢なのかという二つに絞って徹底的に突き詰める 非常に秀逸な脚本です。これは惹き込まれますよ。


カーティスさんは数日前から悪夢に悩まされています。竜巻を伴う大嵐が襲ってくる、オイルのようなオレンジ色の雨が降り、それに触れた生物が凶暴化するという恐ろしい夢です。しかも目が覚めたあとも感覚がリアルに残っていて、とてもただの夢とは思えない。
で、ここから終末思想に取りつかれたカーティスさんの突飛な行動が始まります。本人は至って真剣なんですが周囲はドン引き。まあそうですわな、あそこまでやると「あいつ頭おかしいんでねぇの」ってなりますわな普通。

ここで面白いのは(脚本的に) カーティスさん自身も俺は精神病じゃないのかと疑うところでして、予知夢と精神病とのはざまで悩みもがく姿がたいへんよろしい。
マイケル・シャノンがどんどん具合悪くなって苦悩しまくる顔を見てると気の毒で可哀想でたまらんです。や、この人はほんとにいい演技しますなあ。


そんなこんなで8割がたカーティスさんに肩入れして見てますので(わたしが)、もうさ、この際巨大ハリケーンでも巨大竜巻でも来ちゃえよ、でなきゃカーティスさん報われないよ!なんて映画であるのをいいことに無責任発言をしてしまったオレをどうか許してつかあさい 。゚∵・(ノД`)∵゚。 ウワアアン

と言ってるあいだにいろんなことがありまして、結局カーティスさんは「おくすりだしときますね」となるわけですが、ああやっぱりそうかと思わせておいてのあのラストですよ。家族旅行でのビーチのシーン。
あれをハッピーエンドととるかバッドエンドととるか、もしくはどちらでもないと考えるか。
わたしはどちらでもないと思いますね。つまりあのラストシーンは「夢」ということです。カーティスさんの悪夢はいまだ続いている。

でもこれまでの悪夢の見せ方とは決定的に違うところが一つあります。それは「家族愛」。なぁんだベタだなあと思うなかれ、いや確かにベタなテーマではあるけれども何と言いますかね、お話への組み込み方がすごく上手いんですよね。
なんでこんなにいい感じで家族愛を扱えているのかと思って調べてみたら、ジェフ・ニコルズ監督が本作の脚本を書いたのはご自身が結婚したばかりの頃だったそうで ああなるほどね、と納得しました。
これから家族を守り養う大黒柱としてのいろんな思いが脚本に活かされているような気がしますね。

そういえば『ラビング 愛という名前のふたり』もこの監督の作品でした。まだ41歳、今後も大いに期待したい素晴らしい監督さんです。
いやー 久しぶりに脚本・演技ともに完成度の高い映画を観ました。こりゃすごい!!

 

 

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