ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

T-34 レジェンド・オブ・ウォー / ケレン味たっぷりのド迫力「戦車でGO!」

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T-34 レジェンド・オブ・ウォー (2018年 ロシア) 


第二次世界大戦中 ナチス・ドイツの捕虜となった4人のソ連兵が、1両のT-34戦車とともに収容所からの脱出を図るお話。えぇぇ、戦車でどうやって!?┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 主人公イヴシュキンが命じられたのは、ドイツ軍の演習のために3人の捕虜仲間とともにソ連製のT-34戦車で逃げ回りながら標的になること。実弾の装備は許されず、この演習に参加することはすなわち死を意味していました。

しかしイヴシュキンは、その演習の最中に戦車もろとも脱走するというトンデモ計画をぶち上げます。

 

f:id:madamkakikaki:20200903002400j:image え、マジでやるんすか?


ここまで聞いて既視感を持った人おられますか。実はこれ、1965年のソ連映画『鬼戦車T-34』のストーリーとよく似ています。言わばオマージュ的な作品と言いましょうか。

どちらかと言うと『鬼戦車』のほうが戦争の哀しさを色濃く出している印象がありますけどね。本作はかなりエンタメ寄りです。

 

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さて、戦車というのはたいてい外壁(装甲) が斜めになっています。なぜかと言うと砲弾を弾き命中させにくくするため。

それでも砲弾が装甲をかする衝撃は凄まじく、脳しんとうで失神する兵士がいると言うのだから相当なもんです。

本作で特筆すべきは、この砲弾を弾くシーンの度に戦車内の兵士の姿を見せてくれることです。

本物の自走するT-34を俳優が実際に操縦していて、耳がキーンとなったり失神したり意識朦朧となったりというのを(もちろん演技だよ) 固定カメラでバッチリ捉えている。ここまでリアルな表現にこだわった戦車映画もそうそう無いんじゃないでしょうかね。


そしてもう一つ、射出した砲弾の軌跡をCGによるスーパースローで表現した漫画のようなカット。わたしこれ予告編で観て「うぉーこれ超すき!バリすき!観てえぇぇ!」と大興奮したんですけども、やっぱり面白かったですね。戦車砲の威力がよくわかります。

主人公のアレクサンドル・ペトロフが角度によってユアン・マクレガーに見えたり、エリート将校イェーガー役のヴィツェンツ・キーファーがエディ・レッドメインに似てたりするのも観てて楽しかったですね。
橋の上でのタイマンシーン良かったなあ。あれ観てたらね、イェーガー大佐って本当は根っこはいい人なんだろうと思って少し切なくなったんだよなぁぼくは。

 

ちなみに、この手の映画で出てくる女性はたいてい「私も連れていって〜」とか言って足手まとい感極まりなく 観てる側をイライラさせるもんですが、本作のヒロインはとてもいいです。脱出が上手くいくよう危険を承知で大事な役目をきっちり果たします。

なので主人公とのロマンスが生まれても全然嫌な気になりませんし、むしろ二人の幸せを応援したいくらいです。

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本作に関しては 男だらけのムンムンした暑苦しい絵面に可憐なユリの花がスッと差し込まれたような感じですね。とってもいい存在感であります。

 

というわけで、ド迫力の戦車戦アクションですけれど、どこか青春群像劇っぽいストーリーだったり ほんのりラブロマンスを挟み込んだりとエンタメ要素たっぷりで期待どおりの大作でした。人物描写もよく出来ています。

これは見応えありですよ。さいこう。