ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

彼らは生きていた They shall not grow old

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彼らは生きていた (2018年 イギリス) THEY SHALL NOT GROW OLD

第一次世界大戦の記録。


テレビ番組や映画の中に挿入される戦争の記録映画といえば、モノクロ、無音、経年劣化により不鮮明な映像・・というのが殆どで、何も知らない子供の頃は「鉄砲担いだおじさんたちがちょこまか動いてておもしろい」なんて思っていましたけれどほんとすいません。
兵隊さんもさることながら従軍カメラマンというのは非常に危険な命懸けの任務なんだなあとあらためて思う次第です。ね、渡部(陽一)さん。

で、彼ら従軍カメラマンが命懸けで撮影した記録映像に命を吹き込むべく、400人以上のアーティストを動員し2000時間以上にもわたる映像の数々を 最新技術による修復→ 着色→ 3D化 といった考えただけで気の遠くなるような三段階の復元作業を行って出来上がったのがこの作品であります。


わたしこの映画のことを知ったそばから観たくて観たくてたまらなかったんですが、こんな田舎で劇場鑑賞できるはずもなく、清水の舞台から飛び降りるつもりでアマプラでレンタルしましたよね! 399円でね!!
(後日ミニシアターで1週間だけ上映されたw)

 


というわけで、これはね本当にすごいですよ (語彙力)。
元が100年前の映像とは思えないほどの鮮明な画と音声、本物の銃撃戦、地雷の爆発、そして至る所に転がる無残な死体。もちろんモザイクなんてありません。
これまでいろんな戦争映画を観てリアルだの凄まじいだのよく出来てるだの言ってきましたけれど、やはり本物の映像にはかないません。

f:id:madamkakikaki:20200731000840j:image この鮮明さ!!

 

それこそカッコ良さもへったくりもない。よれよれの汚い軍服で顔を洗うどころか歯磨きすらろくに出来ない状況なのでしょう、皆さん歯がボロボロで汚い。こんなこと言って申し訳ないけどだいたい汚い。
いや普段は綺麗なんだと思いますよ、白い歯にヘアスタイルをビシッと決めたイケメンもきっといるに違いない。


でも一度戦場に足を踏み入れたら誰もがこうなってしまうわけです。そして下手したら頭が半分吹っ飛んでたり手足がちぎれてたり臓物ぶちまけた悲惨な姿をさらすだけ。

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色彩的にも全く違和感のない綺麗な映像にしばらくは「おお、こりゃモノホンだわすごいわ」と目を輝かせていたわたしもさすがに辛くなってきて、涙ぐみながら観ていました。
特に 弱冠15~16歳の少年たちが年齢を偽ってでも志願し、人生で一番キラキラなはずの青春時代を戦場という地獄で過ごし、運良く生き延びて国に帰ってきたと思ったら帰還兵は仕事も生活の保証もないという冷たい社会・・・という話はたまらんでしたよ。

酷くね? あんまりじゃね?!
国のためって何だったんだよ! オレの青春かえしてくれよ、なあ国のえらいひと!!



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この世の地獄にいるはずなのに、束の間の休息時間に談笑したりふざけ合ったりタバコをふかしたり並んでウンコしたりと、演出も何もないありのままの兵士たちの姿が最高にいいですね。人が人でいられる時間。


確かに「彼らは生きていた」のです。あの時あの場所で、彼らは間違いなく生きていた。
さすがはピーター・ジャクソン監督、とんでもない映画をお作りになりましたですね!! (絶賛)



ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド(字幕版)

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  • 発売日: 2019/09/03
  • メディア: Prime Video