ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

ボーダーライン / ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ

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ボーダーライン (2015年) / ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018年) アメリカ / Sicario, Sicario:Day of the Soldado


いい人そうだけど何だか胡散臭いジョシュ・ブローリン、目つきと佇まいだけで人を殺せそうなベニチオ・デル・トロ。激シブおじさん二人のガンアクション。


メキシコの麻薬カルテル殲滅のため国防総省主導のもと編成された特別チームが、カルテルの奴らや買収されたメキシコ警察とドンパチします。

映画自体はフィクションですが、メキシコの麻薬戦争の凄まじさに加え、実はその裏側でアメリカはすごいことをやってるんじゃないか、いやたぶんやってるなと思ってしまうほど衝撃的なお話でした。
まさに「毒を以て毒を制す」です。暴力の前では正義も法もゴミ同然だということをこれでもかと見せつけられ、主人公のケイト(エミリー・ブラント)同様、観ているこちらも打ちのめされます。

アメリカとメキシコ、と聞いてタイムリーに思い浮かぶのは “国境の壁“ です。トランプ大統領が意地でも作りたいこの壁、背景にあるのはアメリカとメキシコが直面している深刻な麻薬問題であります。

アメリカ側からすれば、メキシコから流入する不法労働者に仕事を奪われるは麻薬で治安も破壊されるは大迷惑なわけです。そのためには非人道的じゃなんじゃと言われようと手段は選ばない。それこそ本作で描かれているような「カルテル叩くのに法も倫理もいらねえ」と同じことで、つまりこれがアメリカの現実と闇なんですね。非常に興味深いテーマであります。

 

そしてこの映画には実は「復讐」という裏テーマがありまして、裏の主役は謎のコロンビア人(ベニチオ・デル・トロ)です。あ、二作目では完全に表の主役です。このデルトロさんの怪演がまたいいんだな。
素性がわからない寡黙なシカリオ(殺し屋)という設定がこれほど似合う役者がおりますか、ほんとはそのスジの人じゃないのと思うほどシカリオオーラ全開でしたね。目が合ったらオレ死ぬんじゃねえの、たぶん。

特に一作目の「そーっとお家にお邪魔します、からの食卓でMINAGOROSHI」シーンは痺れましたね。二作目はストーリー的にデルトロさんに人間臭さが出てきたのでまた違った面白さやしみじみ感がありました。

まあそれでもやっぱりシカリオですからね、あの至近距離から蜂の巣にする「デルトロ撃ち」が見れた日にゃもう痺れまくってチビりそうになりましたよぼくは。や、デルトロさんさいこう。だいすき!!

というわけで、「カルテルの麻薬戦争って怖いね」だけでは終わらない、大義を失った暴力や手段を選ばないアメリカのやり方、その“汚れ仕事“ の任務につく人々の苦悩、事情がわからないまま巻き込まれる第三者の絶望感など、考えるべき要素がいろいろあります。
それらがうまく絡み合ってきちんとしたサスペンスとなり、なおかつ魅せるエンターテインメントに昇華させているという点で、本作は非常にいい映画だとわたしは思います。

明らかに続きがあるような感じのラストが気になって調べたら、どうやらこれは三部作になる予定らしいですね。デルトロさんどうなるんだろ、いやこれはマジで楽しみだ!!


 

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