ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

スケアリー・ストーリーズ 怖い本 / 書かれたら、おわり

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スケアリー・ストーリーズ 怖い本 (2019年 アメリカ) Scary Stories to Tell in the Dark / 監督:アンドレ・ウーヴレダル


「物語の次の主人公は、おまえだ。」
児童書なのに全米の図書館にて禁書となった「怖い本」に、ゴシックホラーの奇才ギレルモ・デル・トロが息を吹き込んだら超絶 “怖楽しい” 映画になりました。これは素晴らしい。

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原作は、1981年にアルビン・シュワルツが児童書として発表したシリーズ本「Scary Stories to Tell in the Dark」(原題) 。
ストーリーもさることながら、特におどろおどろしい挿絵が「子供の教育に良くない!」と親や教師から苦情が殺到したといいます。

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ハロウィンの夜、ステラ・オギー・チャックの親友3人組は不良でいじめっ子のトミーから逃げる途中メキシコ移民のレイモンと出会い、仲良くなったついでに肝試ししようと「幽霊屋敷」として有名な旧ベローズ邸に侵入します。

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彼らは隠し部屋でいろいろな怪談が書かれている手書きの本を発見、作家志望のステラはそれを興味半分で持ち帰りますが、白紙だったページに新たな章が書き加えられているのに気付きびっくり仰天。なんとその章の主人公はトミーだったのです。


そしてトミーは忽然と姿を消します。(何があったかって? 言えないよ!!)

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てなぐあいで何だかデスノートみたいな話だけれど、元が児童書なので「死ぬ」のではなく「行方不明になる」という描かれ方をしており、その点では子供でも余程の怖がりさんでなければ観られそう。
レイティングもGなので家族で観ても楽しいかもですね。いやむしろ観ることをおすすめしたい。
なぜかと言うと、劇中で繰り返し語られる「物語は人を傷つけ、人を癒す」というフレーズこそが本作のテーマであるからです。


現代で言えば 悪意や嘘にまみれた「物語」はSNSでの誹謗中傷・デマ・フェイクニュースなどがあてはまります。一方で ほっこりしたり優しい気持ちになるエピソードや元気の出るメッセージなどの「物語」もあります。
つまりわたしたちは誰でも「物語」によって人を傷つける怪物となりうるが、「物語」によって人を救うこともできるのだということをこの映画は説いているんですね。ステラが最終的に「ある物語」を書いたのは、つまりそういうことです。


並々ならぬ怪物愛のデルトロさんらしく、原作の挿絵を忠実に再現した怪物たちが最高にすてきです。CGじゃなくて生身の人間が演じてるのがまたいい。ちなみに中の人は、


・カカシのハロルドとペイルレディ
→『ストレンジャーシングス』のマーク・スティガー
・足指の無いズタボロ死体
→『死霊館エンフィールド事件』のハビエル・ボテット
・体がバラバラになるジャングリーマン
→ 『シャドウハンター』のトロイ・ジェームズ。これが一番邪悪で怖くて面白かったなあ。

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その子が恐れていること(もしくは物)という内なる恐怖を怪物という形でビジュアル化したこと、そして怪物から逃げるかそれとも闘うかで結果が異なる様子を描いているという点でも、非常に内容の濃い作品だなあと感服します。


子供向けではないけれど、大人も子供も楽しめる秀逸なホラー作品でした。できれば続編キボンヌ。や、おもしろかった!!



 

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  • 発売日: 2020/07/03
  • メディア: DVD