ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

君が生きた証

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君が生きた証 (2014) Rudderless


大学で起きた銃乱射事件で息子を失った父親が 息子の遺したオリジナル曲をライブハウスで演奏していたところ、親子ほど歳の離れた若者に頼み込まれてしぶしぶバンドを組むことになる、というお話です。でもこれはあくまで導入部分。

わたしを含め、内容を全く知らずに観た人はきっと驚きや戸惑いをおぼえたのではないかと思います。
大どんでん返し、という言葉が適切かどうかはわかりませんが、あまりにびっくりしすぎて卒倒するかと思うほどのワンカット、そして一瞬にして血の気が引くような感覚。
なんという事だ、わたしは物事を一方向からしか見ていなかったのか。視点が変わると人の心はこんなにも反転するものなのか と恐ろしさすら感じましたね。

映画の中で 銃規制問題についてあからさまに触れているシーンはありません。それはたぶん、息子が命を落とした銃乱射事件を「物事を見る角度」についてのメタファーとしているからなのでしょう。
そういった意味で、この作品は様々な感想があって然るべきだと思うし、特に親の立場からすれば本当に重くて辛くて、ペラペラと感想を述べられるようなものではないと思います。しかしそれだけにしっかりと考えなければいけない。

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ビリー・クラダップとアントン・イェルチンが 吹き替え無しで演奏し歌うインディーズロックはなかなか聴き応えがあります。
全体を通して歌のシーンにかなり長い尺を使っているのだけれど、歌詞の内容が物語の進行とうまく絡まっていて普通の音楽映画とは一線を画しているという点でも非常にいいなあと思いますね。

ラストのラストで初めて涙が出たのだけれど、感動の涙なのか、悲しい涙なのか、正直よくわかりません。
でもそれでいい、とわたしは思っています。
親世代の皆さんには特に観ていただきたい作品です。この衝撃はね、すごいから。


最後に 夭折したアントン・イェルチンのご冥福をお祈りします。


 

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  • 発売日: 2015/08/04
  • メディア: DVD