ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

リグレッション

f:id:madamkakikaki:20200822163907j:image

リグレッション (2015年 アメリカ・カナダ・スペイン) Regression


実の娘に対しての父親からの性的虐待を巡り、地元刑事と心理学者が協力して事件の真相を追います。
1980年代以降、アメリカ各地で悪魔崇拝者たちによる儀式が多発し社会問題となった、という実話から着想を得たサイコスリラー。

*********************

タイトルの『リグレッション』は、心的疾患の治療の一つとされるRegression Therapy(退行催眠) から取られています。催眠術をかけて過去の記憶を呼び起こすというものです。まあこの手の治療法には胡散臭さしか感じませんけど、それはまた別問題として。

本作でも登場人物の何人かが退行催眠を受けて「あの時ああだった、こうだった」などと供述しますが、そこから浮かび上がったのは悪魔崇拝カルトによる儀式です。
彼らの記憶に合わせるように映し出されるおぞましいシーンの数々は、おそらくブルース刑事(イーサン・ホーク)が頭の中で描く想像でありましょう。
そしてそれは、ちょうどFBIが追っていた悪魔崇拝カルトの情報と繋がっていき、小さな町で起こった一つの暴行事件が思わぬ拡大を見せていくことになります。

暴行の被害者アンジェラ(エマ・ワトソン)は悪魔崇拝カルトに命を狙われているに違いない。
ブルース刑事は証拠を求めて奔走しますが、そんな彼も自分の周囲に悪魔崇拝者の影を感じるようになり、ついには儀式の悪夢まで見るようになってしまいます。自分も悪魔に殺されるんじゃないかと怖くてたまりません。

にわかに信じ難い話を聞いて「そんなことあり得ない、どうせデマだろ」なんて思っていたら周囲で何か怖いことや不可解なことが起き始めた(ような気がする)。あの話は本当だったんだ、これはヤバいどうしよう。
こうなるともはや不安と恐怖しかない。それこそパニックで人がバタバタ倒れたり暴動が起きたりするわけですね。
あとで冷静に考えるとおかしいんですけれど、何を言いたいかと言うと「集団ヒステリー」です。あえて例は出しませんが、日本でも割と最近ありましたね。 で、本作の面白いところと言うか恐怖ポイントこそが、この集団ヒステリーを含む「集団心理」ってやつです。

ダークな色調に不吉感ムンムン、ゾッとするカメラワーク。サスペンス・スリラーに長けたアレハンドロ・アメナーバル監督らしく、ラスト間際まで上手いこと恐怖を引っぱってきていい雰囲気でしたね。
オチはねえ、予想通りと言うか途中で気付いちゃったんだよねオレは。気付いちゃったうえでもう一捻りあるのかなあと思ってたから少し興ざめしたですよ、正直ね。

あれで許していいのか?エマ・ワトソンが可愛いからいいのか? いいんだな? じゃあ仕方ない。可愛いって得だなおい。
イーサン・ホークが最後まで困って困って困り倒していたのがたいへんよろしかったです。


 

リグレッション[DVD]

リグレッション[DVD]

  • 発売日: 2019/02/06
  • メディア: DVD