ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

ペインレス

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ペインレス (2012年 スペイン・フランス・ポルトガル) Insensibles / Painless


1931年、生まれつき痛覚を持たず危険な存在として隔離された少年ベニグノ。2000年、白血病で肉親からの骨髄移植が必要となった外科医のデヴィッド。
この二人の因縁まつわる物語を、1930年以降のスペイン史に絡めて描いたホラーミステリー。うーんこれは、なんだかなあー。
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世の中には実に色々な病気があるもので、痛みを感じない・暑さ寒さも感じない・汗も涙も出ない、先天性無痛無汗症という病気があるそうです。
「痛い」という、命を守るための大切な感覚が無いため、酷い自傷行為をしたり他人を傷つけたりする。特に子供は、自分はおろか他人の痛みも想像できないので加減がわからず、下手すると人を殺しちゃったりもするわけです。何の罪悪感もなく。

本作では そんな「痛みを感じない」子供たちの隔離施設に入れられたベニグノという少年の物語をメインに、スペイン内戦、第二次大戦のナチス・ドイツ、フランコ独裁政権などのスペイン史をなぞります。
きついです。辛いです。どの国でも最も時代に翻弄され犠牲になるのは子供たちなんですよね。

さて、冒頭で書きましたとおり、ベニグノ少年と現代のデヴィッドとの間にはびっくり仰天の因縁がありました。まあおおかた予想のつく話ではあるのですが、それでも悲惨すぎてびっくりです。
そんな見事なオチまでのかなり鬱々なミステリーののち、なぜか怒涛のダークファンタジーになだれ込むという何やら色々投げっぱなしのぶっ飛んだラストにもこれまたびっくりです。
デヴィッドよ、いいのか?いいのかそれで。痛みを感じないからいいのか? 産まれたばかりの息子はどうなる? ( ←若干のネタバレ) おーーーーーい!!

というわけで、この映画が心にズシンと重いものを残したかと言うと正直そこまでは行きませんでした。
ピークエンドの法則でいけば「ピークが良かったからいい映画」 の部類には入ると思いますが、もしこれをギレルモ・デル・トロが製作したら、観たあと2日間くらい心が揺れまくって考えもまとまらなくてレビューも書けなくて便秘になりそうなすごい作品になったかもしれんなあと思ったりもしました。
つまり言い換えれば、それくらい「いい要素」の詰まった映画ということです。そういった意味で観てよかったし、観る価値はありました。

それにしても、スペイン内戦のみならず内戦が絡む映画というのは本当に救いがなくてゲンナリします。誰一人幸せにならない。つらいです。
それでもこういう映画をもっと観たいと思うのはわたしが平和ボケしているから?
そうです、平和ボケしています。だからこそ、だからこそ救いのない映画を観るんです。


 

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  • 発売日: 2014/02/21
  • メディア: DVD