ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

オンディーヌ 海辺の恋人

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オンディーヌ 海辺の恋人 (2009) Ondine


「プルートで朝食を」「ビザンチウム」などで名高いアイルランドのストーリーテラー、ニール・ジョーダン監督が送る、ちょっと不思議で美しい恋愛映画です。
ある日漁師が海から網を上げると女の人がかかっていてびっくり仰天。しかも死体ではなく生きているではないか。
さて彼女は一体何者なのでありましょうか。ただ溺れて死に損なった人なのか、それともまさかの海の精なのか。

北欧には古くから「あざらしから人間の姿に変身する”セルキー”なる種族がいた」という民間伝承があるそうです。

(セルキーについては漁師の娘ちゃんが劇中で説明してくれる親切設計)

彼女が船の上で歌うと大漁になったり、とても上手に泳いだりするもんだから、観てるこちらも「彼女は本当にセルキーなのかもしれない」と思い始め、海の精と人間の叶わぬ恋なんぞを想像したりします。ワクワクしますね、あざらしとまゆげの恋 (違う)。


ところが、彼女をつけ狙う怪しい男の出現で事態は一転します。ここでもセルキー伝説が絡められますのでまだわかりません。

あの男は誰なのか、彼女とどんな関係があるのかというサスペンス要素も加わって、本作最大のクライマックスに突入します。いやそこまで盛り上がるわけでもないか。
まあそれでも真相がわかって全てが腑に落ちると同時に思いきり現実に引き戻されるという点では、たいへん良くできた脚本と言えましょう。さすがはニール・ジョーダンであります。


微妙にアホ面の男前コリン・ファレルが、周囲から小馬鹿にされ一人細々と生きる社会不適合者の漁師を見事に演じています。アイルランド訛りの英語もいいですね。

この人が出てるとわたしはどうしても眉毛にばかり目が行ってしまって若干集中力が欠けた状態で観てたんだけれど、それでも十分面白く惹き込まれるストーリーでありました。


ちょっとどんよりしているけれど美しい海や丘、海辺の小道、小さな漁師町ならではの濃厚で人間くさい景色など、非常に奥深い映像も見どころかと思います。
アイルランドが舞台の映画はいくつか観てきましたがどれもいい映画ですね。今日また一つ、記憶に残る作品が増えて嬉しいなあ。
ちなみにコリン・ファレルとアリシア・バックレーダは本作がきっかけで付き合うようになり双子を授かったそうであります。なかなかやるな、まゆげ。


 

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  • 発売日: 2013/03/22
  • メディア: DVD