ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

ホテル・ルワンダ

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ホテル・ルワンダ (2004年 イギリス・イタリア・南アフリカ) Hotel Rwanda


100日間で100万人が殺害された、1994年のルワンダ虐殺。一人のホテルマンの勇気と良心が、殺されゆく運命にある1200人の命を救ったという実話に基づく伝記映画。

命の価値、政府のプロパガンダ、無知と無関心など、いろんなことを考えさせられます。


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フツ族とツチ族という二つの部族が共存していたルワンダですが、20世紀前半ルワンダを植民地支配していたベルギーが、支配をしやすくするために部族を分断する政策を行いました。簡単に言うと”えこひいき” です。
劇中のセリフにもありますが、肌の色が薄いとか鼻の幅が狭いとか、要するに容姿がヨーロッパ人に近いからという理由でツチ族を経済的にも教育的にも優遇した。これが憎しみのきっかけというか、ルワンダ内紛の根っこにあるわけですね。
植民地にしただけでなく、とんでもないことしやがったなワッフル国め。

で、内紛も終息するかというところに来て起こったのが、このルワンダ大虐殺です。
軍や警察ではなく、政府のプロパガンダに乗せられたフツ族の一般市民たちがツチ族の人々を襲い、鉈(ナタ)で惨殺しまくるという残虐の極み。ナタですよ、ナタ!
ツチ族と仲良くしたり匿ったりするフツ族の人々も裏切り者として殺されますので、ポールのホテルには殺戮から逃げてきた人々が部族関係なく押し寄せてもうギュウギュウです。

ポールはホテルの支配人という立場を利用し、いざという時助けてもらえるように政府軍・警察・国連軍など多方面に金品を贈ったり便宜を図ったりして貸しを作っておりました。
そんな人が我が身を危険にさらしてまで1200人もの命を救ったのだから驚きです。ただの計算高い商売人ではなかったんですねえ。
良心だけではここまで動けませんよ、ものすごい勇気と男気を感じます。

その後新政権になってから、ポールさんはある事で身の危険を感じてベルギーに移住したそうです。
ある意味”いろいろ知りすぎている人” なので、政府にとっては居ると困る人物扱いされているのかもしれません。
本作公開後も何かと良からぬことを言う人が出てきたそうですが、まあどの国にも歴史を捻じ曲げたり偉業にケチつけたりする人はおりますのでね、細かいことはわかりません。

こういう映画を観るたびに悲痛な気持ちやら怒りやらで胸がモヤモヤしてしまうのですけれど、それでもどこかよその国の事と傍観しているのが我々日本人なのでありましょう。

記者が隠し撮りした虐殺の映像を見て「これをニュースで世界中に流したらきっと国際援助が来る」と言ったポールに対して、記者が「いや、そうはならんね。世界中の人々はこれを見て怖いねと言うけど、その後で何事もなかったようにディナーを続けるんだ」と答えましたが、悲しいかな、それが現実です。

国連からも見放され、世界から忘れ去られたルワンダ虐殺。その中で過酷なサバイバルを経験し生き延びた人々と彼らを救ったポールさん。
また一人、このような業績のある人物を知ることができ、平和ボケした頭に喝を入れることができて良かったなあと思います。いい映画でした。

 

 

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