ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

ガリーボーイ

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ガリー・ボーイ (2019年 インド) Gully Boy


『ガリー・ボーイ』とは「路地裏の少年」の意味。主人公ムラドの芸名です。どっかで聞いたことあるなと思ったら、浜田省吾のデビューシングルのタイトルが「路地裏の少年」でした。なんてことは置いといて・・・。


主演はインドのドル箱スターで濃厚男前のランヴィール・シン。実力派女性監督ゾーヤー・アクタルがメガホンをとり、アメリカのラッパーNASがプロデューサーを務めたという何とも贅沢で本格的なラップ・ミュージック映画です。

ムンバイのスラム街で暮らす青年ムラド(ランヴィール・シン) が、ひょんなことから知り合った地元のラッパーやミュージシャンの後押しでラップを極めていくお話です。
インドでラップというのがまず想像できなかったのだけれど、これがどうしてどうして、マジ超カッケー!インドのラッパー超ハンパねぇ! てかヒンディー語のラップってこんなにかっこいいのかとびっくりしましたね。


わたしの無知の致すところですが、労働者階級でスラムに住んでてもスマホを持ってたり大学に行ってたりというのもちょっと意外でした。
そのぶんムラドの父親のように必死で働いて学費を工面している家庭が多いのでしょう。なのでラップに猛反対する父親の気持ちは同じ親としてわからんでもない。
一方で母親はムラドの才能に気付いているし応援してやりたい気持ちがある。息子ファーストなわけです。これもまた母親の立場としてよくわかる。


ムラドのラッパー活動と並行して、こうした家庭内でのやり取りを見せているのがとてもいいですね。

身分や階級関係無しにどの家庭でも起こりうる夫婦間のトラブルとか親子の確執なんかをちゃんと描いていて、その中で個々の人物描写もしっかりなされています。

人物描写といえばムラドの彼女のサフィナも非常に存在感があって良かったです、いろんな意味で。
サフィナもまた型にはまった人生から脱却したい若者の一人でした。医者の家系で比較的恵まれてはいるけれど、年頃の女の子としては非常に窮屈な思いをしているんですね。

ムラドのステージを観に行く途中の駅でお化粧するシーン、あれすごく好きです。何だかんだ言ってサフィナかわいい。


ムラドのように才能があってもそれを活かす場がなかったりチャンスに恵まれなくて諦める若者たちがたくさんいることでしょう。
ムラドはたぶん運が良かった、つまり出会った人たちが良かったのだと思います。これを人徳と見るか神の思し召しと見るかはわかりませんが、なりたい自分の姿を心に描き、そのための道を自分で探すことは決して無駄ではないんだなあとあらためて思った次第です。

ラップバトルの決勝戦で堂々と思いのたけをぶちかますムラドがとってもかっこよくてですね、なんせ中二病なもんですから拡声器持ち出してきたとこでもんどり打って椅子から転げ落ちましたよね。はいそこ、おまえ何歳だよとか言わない。や、インドのラップさいこう。サントラ欲しくなったなあ。ちなみに劇中の曲はランヴィール・シン本人が歌っています。


歌詞の一部が「オカタイマエバ(お硬い前歯)」に聞こえるという空耳アワーも面白かったです。わたしだけかもしれないけど。


 

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  • 出版社/メーカー: 株式会社ツイン
  • 発売日: 2020/02/19
  • メディア: DVD