ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

ゴッズ・オウン・カントリー

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ゴッズ・オウン・カントリー (2017) God's Own Country


イギリスのヨークシャー地方で暮らす酪農家の青年と出稼ぎルーマニア人青年との愛の物語。
フランシス・リー監督が故郷の記憶をそのまま映画に落としこんだ美しい風景と田舎の閉塞感が絶妙に混ざり合う、イギリス版ブロークバック・マウンテン。
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2005年のアメリカ映画「ブロークバック・マウンテン」に続く酪農ゲイ映画(新ジャンル?)「ゴッズ・オウン・カントリー」です。
ヨークシャーは昔から ” 神の恵みの地 ” と呼ばれているそうで、それがそのままタイトルになっています。素敵ですねえ。

そんなヨークシャーで、神の恵みとは程遠い生活を送るジョニー。酪農一家ですが半身不随の父親と祖母しかおらず、働き手は自分だけ。
同級生は大学に行って楽しそうにしてるのに、自分は牛と羊の世話ばかり。やってらんねぇぜと夜な夜な町へ出かけては行きずり的に性処理をし(男と)、でろでろに酔い潰れて帰っては父ちゃんやばあちゃんに叱られております。


そんな怠惰なジョニーに神が遣わした、いや遣わしたわけではないがとにかく助っ人としてやって来た「デキる男」ゲオルゲ。季節労働者としてイギリスに来たルーマニア人です。
「お前、パキだろ(パキスタン人の蔑称)」「ルーマニア人だ」「ああ、ジプシーか」「やめてくれ」程なく恋に落ちる相手とは露知らずジョニーよ、このスットコドッコイめ。

 

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酪農の知識も豊富で仕事もできる、家畜の世話をする姿は母親のように優しくあたたかい。そんなゲオルゲに惚れない男がおりますか、オレは惚れるね。もうガバッといくね(やめろ)。


そんなこんなでめちゃめちゃ省略しますが、まあなるべくして二人は愛し合うようになるわけですね・・・ てかなんでボカシ入ってるの、そこまで出すならちゃんと見せなさいよ、ねえ。日本だけ?ボカシ入ってるの日本版だけ??
そんなわけでゲイ映画大好きです(ゲフンゲフン)。

イギリスも階級制度の根付いた国ですから、移民や出稼ぎ労働者に対する差別や侮蔑意識があります。ヨークシャー地方は特にそれが強く、そんな中でゲイとわかれば大変です。

本作では「ブロークバック・マウンテン」のような酷いホモファビアは出てきませんが、この先二人がいろいろ苦労するだろうなあということは想像に難くありません。


それでもお互いを必要とし、共に生きて行くことを選んだ二人。神の恵みの地で、彼らの前途に幸あれと願うばかりであります。
映画の舞台も登場人物も違いますが「ブロークバック・マウンテン」で夢見た幸せが「ゴッズ・オウン・カントリー」で現実になった、そんな感じがしますね。

 

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「この変態」「うるせぇホモ野郎」とか言いながらイチャイチャするのがとっても微笑ましくて良かったです。少し曇ったヨークシャーの味わいある風景もいいですね。

子羊も可愛いし、酪農ゲイ映画もっと作ってほしいですね。素晴らしかったです。