ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

ゲヘナ

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ゲヘナ (2017) Gehenna: Where Death Lives

【 おじいちゃんの言うこと、聞いときゃよかった。】


ハリウッドの特殊造形クリエーター片桐裕司氏の初監督ホラー映画「ゲヘナ」です。

クラウドファンディングで資金を募り、構想から10年近くの歳月をかけて作り上げたというこの作品、公開当時は原題そのままの「ゲヘナ ~死の生ける場所〜」というタイトルだったようです。ゲヘナは聖書でいう地獄の意味ですね。

体育座りの干し柿みたいなおじいちゃん。なんだか寂しそうで怯えた感じに見えます。この人はクリーチャー専門俳優のダグ・ジョーンズでありますね。ぱっと見気味悪いけど「ディセント」の地底人みたいなやつじゃありません。こんなおじいちゃんがわらわらいて襲ってくるとか、そういう映画ではありません。でもけっこう怖いです。SF要素も特段ぶっ飛んだものではなく、見慣れてる人ならすぐわかるようなアレです。

お話の舞台はサイパン島です。現在はすっかりリゾート地として定着していますが、サイパン島は悲劇の島でもあります。
300年以上前のスペイン統治時代と、第二次大戦における日本軍の侵攻。この2つの悲劇を繋ぐ形で「生きることは時に死より残酷である」というテーマを語りかけてきます。とてもいい脚本ですね。

途中ちょっと間延びしてるけれど、片桐監督は一つ一つをきちんと描こうとしたのでしょう。これは日本人の真面目さゆえと目をつぶっていいんじゃないかと思います。


登場人物の人となりや背景もきちんと描かれていましたし、台詞でミスリードを誘う手法も良かったですね。
干し柿おじいちゃんの「お前、絶対、死ね」を字幕ミスだと思った人おられますか。はい、まんまと引っかかりましたね。「この女のせいだ」でピンと来た人おられますか。すごいね、アナタテンサイネ(わたしはわからなかった)。

現地の人でさえ怖がって入らないところにズケズケ乗りこんでろくな事はないですからね。入り口があるなら出口もあるはずとか呑気なこと言ってんじゃないよ全く。


で・ら・れ・ま・せ・ん・か・ら!!

ディセントで嫌というほど思い知らされたんだよオレは(洞窟行ってない)。てか映画が違う。

というわけで、技術屋さんが初めて作った映画とは思えないほど、押さえるべきところをきちんと押さえた良い作品です。
おじいちゃんの造形が素晴らしいのはもちろん、お化けの見せ方はジャパニーズホラーのようで、和洋折衷でなかなかよかったです。日本語もちゃんとした日本語で安心しましたね。


そういや「私はアメリカで一番の〇〇です」は最高でしたね。みんなも読めない外国語が書いてあるTシャツには気をつけよう!!わらわれるよ。


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