ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

フルートベール駅で

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フルートベール駅で (2013) Fruitvale Station


2009年1月1日にカリフォルニア州で起きた
オスカー・グラント射殺事件という
実際の事件を題材にした作品

乗客が携帯で撮った事件の一部始終の
生々しい映像から始まりショックを受けた


85分という短い上映時間の大部分を占めるのは
オスカーが殺される前日、大晦日の話だ
彼女と痴話喧嘩をしたり
仕事のことで悩んだり
娘を保育園に迎えに行ったり
母の誕生日パーティをしたり
若いパパの 至って普通の日常だった

それはまるでドキュメンタリー映像のよう
オスカーの目線だったり
手持ちカメラの長回しだったり
彼を間近で見ているような気持ちになり
結果がわかっているだけに
何ともやるせない悔しさがこみ上げてくる


この手の映画はどうしても
被害者が何の罪もない善人として描かれがちだが
オスカーに関しては
そうしたバイアスがかかっていないのが良い
彼の友人たちについてもそうだ

だからこそわたしたちは
「そのとき何の落ち度もなかった丸腰の黒人青年が
理由もなく白人警官に射殺された」
ただこの一点について客観的に
まっすぐ事件を見ることができる

事実 こんな事件は現在もあとを絶たないし
黒人だから撃ち殺したんだろと
私を含め多くの人がそう憶測するだろう
ここは非常に難しいところだ
あいつは白人だからねと言ってしまうと
これまた問題なわけで
人種関係なく誰しも 大なり小なり
心の奥底に差別意識みたいなものがあるんだなあと
つくづく思うわけです

この映画 思いきって観て正解でした
タイトルも秀逸です


 

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