ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

フレンチアルプスで起きたこと

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フレンチアルプスで起きたこと (2012) Force Majeure / Turist

原題の「Force Majeure 」は「不可抗力」なかなか上手いタイトルです。邦題もわかりやすくていいですね。

家族4人でバカンス中、大きすぎる人工雪崩が起きて危ない大変だ!ってときに、お父ちゃんがとっさに家族を置いて逃げてしまった。みんな無事ではあったけれど、お父ちゃんは逃げた事実を認めずあれやこれやと恥ずかしい言い訳をし始めて奥さんは不信感とムカムカが止まりません。

見ず知らずの人や友人カップルにまで「この人逃げたのよ、ありえなくない?」とか話して場を凍りつかせたりして、奥さん相当怒ってます。まあ気持ちはわかるがちょっとしつこいんでないかい?
というかですね、映画自体がこのつまらん話についてこれでもかとしつこく描き始めるからうんざりです。うんざりだけど超おもしろい。

この話が他人に飛び火してその人たちが何となく気まずくなるのも面白いし、何よりこのお父ちゃんのヘタレっぷりがどんどん顕になってきて、しまいにゃ子供たちまで一緒に泣いちゃったりしてなんなの、この家族。次第にお父ちゃんが可哀想になってきます。

本作のすごいところはなんと言っても映像とカット割り、そして会話劇の手法と音楽の使い方です。ほぼ全てにおいてパーフェクトですね。
せっかちな人は「はよせんかい」と思いそうなシーンもあるけれど、その間合いがよろしい。
何か起きる、起きるぞ!と思わせる音楽とかビクッとなる音で構えてたら何も起きなくて椅子からずり落ちる(わたしが)とかもいいです。ちなみにヴィバルディの「四季」より「夏」第三楽章です。雪山なのに夏ですか。最高。

あれだけお父ちゃんを責めてた奥さんの、終盤での行動にも注目です。あんた人の事言えるのってね。このへんはご覧になれば、不可抗力の意味そしてこの映画が秀逸なシニカルコメディと賞賛される理由がおわかりになるかと思います。
男はつらい、つらいよ、ね。


 

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