ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

きみへの距離、1万キロ

f:id:madamkakikaki:20200822164003j:image

きみへの距離、1万キロ (2017) EYE ON JULIET

【 僕らの出会い。それはきっと、神様の遠隔操作。】


アメリカの青年が、1万キロ離れた北アフリカでピンチに立たされた女性を遠隔操作ロボットを使って手助けする、というなかなか面白いアイデアのこの映画。
テクノロジーは人を幸せにするか否かという現代的なテーマを含みながらも、愛に傷つき人生お先真っ暗だわと嘆く人々に「もっと広い目で世の中を見渡してごらん、運命の人は一人だけじゃないんだよ」とエールを送る、サクセスラブストーリーであります。


脚本にややガバガバなところがありますので、突っ込もうと思えばいくらでも突っ込めますけれど、そこは目をつぶっていいんじゃないかと思います。あまり細部にこだわりすぎるとこの映画の本質を損なうような気がしますのでね。


さて、主人公はデトロイトにいてアフリカの石油パイプラインの監視をしています。監視の手段はハイテク搭載のクモ型ロボットです。ドローンでいいんじゃないのと思ったりもしますが、この地を這うロボットだから意味があります。
そしてたまたまロボットのカメラに写りこんだ美少女に主人公は一目惚れします。

彼女が親から望まぬ結婚を強いられており、好きな人と駆け落ちしようとしていることを知った主人公は、2人の国外逃亡を手助けしようと決心します。好きなあの子のためならえんやこらです。

ロボットで彼女を見守っているとは言え、やってることはストーカーとさほど変わりませんので若干引くんだけれど、なんせ1万キロも離れているし主人公はただ彼女の人生を自由にしてあげたいという一念なので、見返りを求めない純粋な気持ちを応援したくなります。ちょっとそれはマズいんでないかい、と思うようなこともしますが、それも許します。


わたしが思うに、この映画の好き嫌いが別れる一番の原因はおそらくラストでありましょう。きっちり結末を見て納得もしくは感動するか、どうなったのかな、たぶんこうなればいいなあと余韻を楽しむか。

映画の観方は人それぞれなのでね、自分がいいと思ったラストであればいい映画なのだとわたしは思いますよ。


わたしはどちらかというと後者のほうなのでちょっと「うーん」と思いましたけれど、しばらくしてこれは劇中で目の見えないおじいちゃんが言った台詞を受けたものだと気がつきまして、おおそうか!と膝を叩きましたね。

なんだめちゃくちゃいいラストじゃないか。


ややコミュ障で非モテの主人公を演じているのは「暁に祈れ」で注目を浴びたジョー・コールです。役柄に命を吹き込む作業は面白いと言うだけあって、細かい表情までいい演技をしていますね。
ガシャガシャよちよち地面を歩くクモ型ロボットがえらく可愛く思えるのは、主人公の気持ちと一体化している(ように見えた)からかもしれません。


おとぎ話のようで真っ直ぐなラブストーリーも悪くありません。むしろいい。とっても素敵な映画でした。


 

きみへの距離、1万キロ [DVD]

きみへの距離、1万キロ [DVD]

  • 発売日: 2018/11/07
  • メディア: DVD