ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

ダイ・ビューティフル / 死化粧は日替わりで

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ダイ・ビューティフル (2016年 フィリピン) Die Beautiful


2014年にフィリピンのトランスジェンダーが殺されたジェニファー・ロード事件。事件後SNS上では「トランスジェンダーだから死んであたりまえだ」などという言葉が飛び交ったそうです。
それに心を痛めたジュン・ロブレス・ラナ監督がトランスジェンダーに対する人々の理解が深まることを願って作った映画『ダイ・ビューティフル』、観よう観ようと思っていて今になっちゃいましたけど、いやーこれは素晴らしい。そして美しい。

 

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どんなに蔑まれても美しく生きることを懸命に貫き夭折したトランスジェンダーのトリシャと、彼女の遺言を受けて死化粧を施す親友のバーブ。この二人を中心に、高校生時代からの軌跡をフラッシュバックさせながら喜怒哀楽たっぷりに彼女たちの生き様を描きます。


トリシャ役のパオロ・バリェステロスは俳優としてもメイクの達人としても有名な人で、ハリウッド女優や海外セレブのそっくりメイクなんかをインスタで披露してますね。
日本のファンには「フィリピンのざわちん」などと言われてるそうですが、この人はマスク無しでやるからね。見たことない人はぜひ見てびっくりしてください。もちろん劇中でのメイクは全てご自分でやられてます。や、眼福、眼福。


つい先日もゲイの男性がダウン症の子供を養子に迎えて子育てしているという記事を見たんですが、性的マイノリティ(こういう言葉自体わたしは好かんのですがね) の人たちにとって家族の愛情や絆というものがいかに大切で、また憧れであるかというのがよくわかります。

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トリシャも孤児の女の子を引き取り育てていました。その姿は娘をこよなく愛する母であり、ときに誰かの恋人でもあり妻でもある。その全てのシーンにおいて美しく、愛を感じながら生きようとしたわけです。


そしてその集大成とも言えるのが、親友バーブに冗談交じりに話した「日替わりの死化粧」。ビヨンセ風とかジュリア・ロバーツ風とかレディ・ガガ風とか、派手なセレブメイクを施され棺に眠るトリシャのまあ美しいこと。

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あそこまで徹底するとは大したもんです。とりあえずスッピンでも眉毛描いときゃどうにかなるっしょ!とか思ってる自分が恥ずかしい。ちょっと今から穴掘ってきます。

というわけで、観ているうちにトリシャがトランスジェンダーだとかもうどうでも良くなってきてですね、どういうことかと言うと、同じ女性としてまた母として共感するところが幾つもあったんですよ。バーブとの友情も涙が出るほど素敵だったし、笑って泣けてとってもいい映画でした。


変に当たり障りのない翻訳なんかしないで「チンコ」「マンコ」とかばんばん字幕に出てきたのもリアリティにあふれていて良かったですね。字幕翻訳者グッジョブです。

さてわたしが死んだら死化粧は誰のそっくりセレブメイクをしてもらおうかな。アンハサウェイ? ナタリーポートマン?ジェシカチャステイン? わーオレわくわくすっぞ、今から娘に頼んでおかなくちゃ。
え、誰だよ元が元だから無理とか言ってんのうるせえな!!

 

 

 

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  • 発売日: 2018/11/07
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