ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

ブレス しあわせの呼吸

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ブレス しあわせの呼吸 (2017) Breathe


ポリオで首から下が麻痺し余命3ヶ月といわれた青年が、人生を楽しむために前代未聞の車椅子チャレンジに挑みます。

1950〜60年代、重度障害者は一生病院のベッドの上が当たり前という時代ですね。車椅子自体はかなり前から作られていて、アメリカでは南北戦争を機に産業化されたそうですが、それは戦争や事故で足を失う人が増えたから。全身麻痺で呼吸器無しでは生きられない人を乗せて外に出るなど、医者ですら考えもしなかったでしょう。


この映画の舞台であるイギリスもそう。車椅子のロビン(アンドリュー・ガーフィールド)が「重度障害者は病院にいるのが適切なのでは?」とか「あれじゃ見世物よね」とか言われるあたり、あれは本人も奥さんも辛かったろうなと思います。

こういう難病を取り扱った作品は非常に感想を書きづらい部分があって、前に「サヨナラの代わりに」の感想でも触れましたけど、特に「尊厳死」が関わるものについては軽々しくものが言えないというのが正直なところです。
「生きろ、死ぬな」と言うのは簡単だけれど、じゃあその人の人生に責任を持てるかとなると、「生かす側」にとっても大きな負担が生じる。そしてその人が自分の意思で幕引きを願ったとき、最も大事なのは本人か、残される人か。倫理の観点からはどうなのか。これは本当に難しいテーマだなあと思います。

いずれにしても、ロビンはとても有意義で楽しい人生を送ることができた。奥さんも最後までロビンのそばにいてたくさんの愛を注いだ。色々なアクシデントも、みんなで笑える思い出になった。「お別れの言葉は・・・ないわ」って奥さんが言ったときはね、もうたまりませんでしたよ。

ロビンの息子であるジョナサンは、実は本作のプロデューサーなんですね。そう、これはジョナサンが父と母に捧げた愛の映画なのであります。すてきだねえ。
夫婦愛、友人愛、隣人愛、そして両親への愛がたくさん詰まった優しい作品。あ、それと双子のトム・ホランダー(二役)のポンコツ具合が最高に面白いです。おすすめですよ。


 

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  • 発売日: 2019/04/24
  • メディア: DVD