ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

昔々、アナトリアで

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昔々、アナトリアで (2011) Bir Zamanlar Anadolu'da

 


殺人事件の容疑者を連れて死体遺棄現場へ行きますが、なかなか死体が見つからず、どうしたもんかなーとなります。

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「アナトリア」とはトルコのアジア部分を指し「小アジア」とも呼ばれる地域。タイトルは劇中の台詞から取られている。


トルコ映画界の巨匠、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督作品です。

独特の語り口、闇の映像美、単純なようで深いストーリーからにじみ出るメッセージ・・・ と挙げればきりがないのだけれど、間違いなくこれは大人の映画でありましょう。いや、小説かもしれない。
わたし、この監督の作品は本作のほかに『スリー・モンキーズ』しか観たことないんですが(猿の話じゃなくて見ざる聞かざる言わざるの方です)、やっぱり色々とすごいです。(語彙力w


主要な登場人物は、警官と検事と検死医と容疑者です。ほかに運転手とか軍警察とか穴掘り係とかがいて、総勢13人ほどのむさくるしい男たちが窮屈な車の中で延々しゃべっては降りて死体を探し、ここじゃあないとか言ってまた車に乗ってしゃべりながら移動して、を繰り返します。

で、この会話の内容が面白くてですね、食べ物の話やら煙草やら前立腺やら(笑)病気、土地、自然、家族、そのうち自殺とか無差別殺人の話とか脈絡なく出てきます。食事のために立ち寄った村長の家では墓の話まで飛び出します。

つまり何が言いたいかというと、一見くだらない会話の一つ一つにこの映画のメッセージが隠されているということです。死体探しから始まるだけに、それはまさに

「死の捉え方」についてなんですね。
彼らの会話を聞いていると、我々日本人の感覚とはちょっと違う。まあ宗教とか文化の違いと言えばそれまでなのかもしれませんが、それでも非常に興味深いことを彼らは話しています。彼らの生き様がみえます。


「現場に行った、死体を探した、見つかった、だから何?」という映画では決してありませんのでね、会話劇とかじわじわくる系の映画が好きな人には面白く観られるんじゃないかなと思います。わたしはかなり好きです。

 

 

 

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  • 発売日: 2014/09/05
  • メディア: DVD