ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

バジュランギおじさんと、小さな迷子 / あなたのおうちはどこですか

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バジュランギおじさんと、小さな迷子 (2015年 インド) Bajrangi Bhaijaan

インドで迷子になったパキスタン人少女の面倒を見るはめになった男が、どうにかしてその子を親元に送り届けようと奮闘するハートフルコメディドラマ。民族問題やジャーナリズムを効果的に織り込んだ技巧派作品です。

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邦題では「おじさん」となっていますが 映画では結婚前の青年という、無理にも程がある設定なんですよねこれが。
ちなみに原題は『バジュランギ兄貴』。まぁサルマン・カーンの実年齢からしても(わたしより歳上!) およそ青年とは言い難いですし、ちびっ子から見れば大人の男はおじさんなので バジュランギおじさんでも正解です。

このちびっ子ちゃんは耳は聞こえるけれど言葉を発することができません。病を治してくれる聖廟がインドにあると聞いてお母さんとやって来たのですが、とあるハプニングでインドに取り残されてしまう。そこで運命の出会いをするのがバジュランギおじさんです。


てかバジュランギさんの登場の仕方が派手!インド映画だからわかってるけど派手! スーパースターか。
いやわかってるけどさ。中の人が本物のスーパースターなのはオレも知ってる。

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で、この子は喋れませんからまさかパキスタン人だとは誰も思わない。警察もろくに打てあってくれないし、とりあえずバジュランギさんの彼女のおうちに置いてもらうのですが、ある事がきっかけでパキスタン人だとわかってしまう。ここからがもう大騒ぎです。


なんせインドとパキスタンは歴史宗教民族いろんな要因で敵対関係にあり、お互いにあの国は悪い、酷いやつらだと憎みあっていますから、そんな国の子供を世話してやる義理はないと言われてしまうんですね。
でもバジュランギさんにしてみればそんなことはどうでもいい。誰も頼りにならないなら俺が責任もってこの子を親元に送り届けてやろうと決意するわけです。


基本コメディですから 途中いろんなトラブルがありつつも必ず味方してくれる人が出てきてわりと安心して観られるんですが、そのぶん体制への批判や風刺はきっちり効かせています。
困った時は助け合うのが人と人だろう、宗教だの民族だの国境だのグダグダ言ってんじゃねえと。

どうやって来たんだと国境警備のパキスタン兵に聞かれて「地下トンネル通ってきました」なんて馬鹿正直に答えちゃう、あほなのか天然なのかとにかく嘘のつけないピュアピュアボーイ、バジュランギさん。
パキスタンではスパイと疑われていろいろ大変な目にあいますが、これまたギャグを絵に描いたようなすっとぼけのジャーナリストと出会ったことで どん詰まりになりかけていた迷子のお届け大作戦に希望の光が差し始めます。

このジャーナリスト役のナワーズッディーン・シッディーキーがですね、もう最高にいいんですよ。
この人は『めぐり合わせのお弁当』でも脇役ながらとてもいい存在感を纏っていてわたし大好きなんですけれど、本作でも中盤以降のキーパーソンとして非常にいい仕事をします。

このジャーナリストを加えた3人の珍道中は本当に面白いのでぜひ観ていただきたいですね。

 

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一歩間違えばただのベタな感動ドラマに終わってしまいそうなストーリーを よくぞここまで見事なエンタメ作品に仕上げたものです。制作陣すばらしいな。まぁラストの引っ張りは若干くどいと思わなくもないですけどね。


ちびっ子ちゃんもめちゃめちゃ可愛いし、インド映画ならではの賑やかな歌と踊り・ファンタジックな映像も160分めいっぱい楽しめて、ぼかぁもうおなかいっぱいです。ナマステ。