ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

残された者 -北の極地- / 生き残るんじゃない、生きるんだ!

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残された者 -北の極地- (2018年 アイスランド) Arctic / 監督:ジョー・ペナ


極寒の北極地帯に不時着した飛行機。一人生き残ったパイロットの男は、壊れた飛行機をシェルター代わりに雪原を歩き回り、魚を釣り、救難信号を出すという日々のルーティンを続けながら救助を待っていた。
しかし、ようやくやって来たヘリコプターは強風にあおられて墜落し 女性パイロットが重傷を負ってしまう・・・ うわー最悪、なんて日だ!!

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さぁまたもやマッツ・ミケルセンが魅せてくれましたですよ皆さん。

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マッツのキャリア史上最高の演技とも評されたらしいこの映画、とにかく台詞がちょう少ない。
なんせ北極でぼっちなので「んんー」とか「はぁー」とか「くそっ!」とかしか言わないんです。女性パイロットが登場してからも最小限の一言二言しか喋らない。(この女性が重傷で話せるどころじゃないというのもありますが)

ぼっちマッツ、凍えるマッツ、おたすけマッツ、お料理マッツ、がんばるマッツ、絶望マッツ・・・

もはやこの男に台詞はいらねえとばかりに、北の極地での過酷なサバイバルを静の演技で見せる、いや魅せまくるわけですね。

 

f:id:madamkakikaki:20200730192341j:image しょぼぼーん(´・_・`)

 

マッツ本人も言っているように、この映画は「生き残ること」と「生きること」は違うのだという大きなテーマがあります。
救助が来なければ死ぬんだろうなーと思いながらただそこに留まっていた男は、目の前に助けるべき命が登場したことで生きるスイッチが入った。待つんじゃない、こっちから行くんだと。

その道のりは決して簡単なものではないけれど、生きると決めた人間の執念はすさまじいものがあります。
観ていてこちらも「まだか、まだか」としんどくてたまらなかったのですが、それと同時に人はやっぱり一人ではだめだな、誰かがいてこそ頑張れるんだよなとあらためて思いましたね。

そういう意味で、ある状況で息も絶え絶えの女性が言った「ハロー」は、本作の中で非常に大きな意味を持ちます。そしてマッツが泣きます。
このくだりはね、彼の気持ちの揺れが十分理解できるだけに「そうだよなぁ、そう思っちゃうよなぁー」と胸に詰まされる思いでいっぱいでした。

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あんなバカ寒いところで終始一人芝居というのは本当に大変だったと思います。
でも北欧の至宝らしく、一面の銀世界をバックに佇むマッツがめちゃくちゃ絵になってかっこよかったのも事実で、あの飛行機の中でマッツが作ってた “北極マスとヌードルを煮たやつ” を一緒に食いたいとマジで思ったりもしました。

というわけで また一ついい映画に出会うことができました。マッツの「とったどー!!」も見れます(笑)

 

f:id:madamkakikaki:20200720095652j:image※マッツとは関係ありません