ガツンとくるやつ、ください。

これまでに観た映画の感想をちまちま書いてます。Proに変更して何かと苦戦中ですが見苦しいのはご愛嬌。   

アド・アストラ / 星の彼方で父離れ

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アド・アストラ (2019年 アメリカ) AD ASTRA / 監督:ジェームズ・グレイ



introduction

宇宙飛行士のロイ(ブラッド・ピット)は、16年前地球外知的生命体の探索中に消息を絶った父(トミー・リー・ジョーンズ) が海王星付近で生きていると知らされる。父が太陽系にとって危険な計画に関わっていると聞かされたロイは、父と再会し真相を探るべく宇宙へと旅立っていく。


SFだけどSFではない

本作は、「2001年宇宙の旅」「地獄の黙示録」さらに「ゼロ・グラビティ」「イベント・ホライゾン」「インターステラー」といったガチなSF映画を思わせる要素が満載でとても面白いんだけれど、だからといって理系のアタマで観るような映画ではないですね。

じゃあどんな映画かって話ですが、まぁ一言でいうなら哲学的というか、要するに宇宙というアウタースペースと人間の内なる精神世界インナースペースとの対比を描いた映画であります。

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父への想いという呪縛

ロイはトップクラスの宇宙飛行士ですが、そこへ上り詰めるためにいろんな感情を押し殺した結果、人間性が失われ本人もまたそんな自分に傷ついています。

父親に対する想いも複雑です。優秀な宇宙飛行士としての憧れがある一方で、家族を捨てたことへの憎しみも抱いている。そして結局ロイも父がしてきたのと同じような態度や生き方を奥さんや周囲の人間に向けている。

そんな生きづらさを抱えたロイが地球を離れ、はるか彼方の海王星を目指し外へ外へと進むにつれて、彼の“精神世界“という物語は内へ内へと入っていきます。
感情の喜怒哀楽というか、マトモな人間性が徐々に戻ってくるわけですね。

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そしてクライマックスは “親子の絆“と“父と息子それぞれの贖罪“ という、まさに本作の核心と言える非常にパーソナルなところに着地します。

壮大なSFの体裁をとりつつ、結末を人間のインナースペースに持ち込むというプロットは、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『メッセージ』とよく似ています。
『メッセージ』を観て何か深いものを感じ取ったという人なら、本作も興味深く鑑賞できるのではないかなぁと思いますね。



社会とは孤独な者の集合体

元々ロイは合理的思考の冷静沈着な、ある意味冷たい人間でした。デキる男たるもの仕事以外は全て無駄なんじゃ、と言わんばかり。 それは同僚から挨拶代わりに肩をポンとされて「俺に触るな!」と怒るシーンにもよく現れています。

ところがミッションの途中不慮の事故でクルーたちが皆死んでしまい、さすがのロイも、次第に宇宙船で一人ぼっちは淋しい、孤独はイヤだ、家へ帰りたいと思うようになる。

このあたりの感情変化がなかなかの見ものでね、さすがはブラピ、台詞に頼らないいい演技をするなあと感心します。


何だかんだいって人は一人では生きていけない。わたしもおひとり様の行動が好きだけど、それも家族がいてくれるからこそ。孤独な者たちが支え合って成り立つ社会、それが人間社会なんですよね。

地球に無事帰還したロイは明らかに変わっていました。
脱出ポッドから出る際に見知らぬ兵士から手を差し伸べられ、ちょっとはにかんだような微笑みをうかべてその手を掴んだロイ。
いやーあれはグッときたなあ。本作の中でもダントツにいいシーンだったと思います。


それにしても、帰還の仕方が文字通りかなりぶっ飛んでいてさいこうでした。海王星の小惑星帯に鉄板を盾がわりにして突っ込むとかさ、ああいう無茶ぶりも笑って許せるくらいブラピの繊細なメソッド演技に魅了された良い作品でした。

ただ、トミー・リー・ジョーンズはどうしても某コーヒーのCMが頭にチラついて困ったので、CMの力ってのはすごいんだなあと映画と関係ないところで変に感心するなどしました。

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宇宙の映像もちょう美しくて、撮影監督は誰かと調べたら『インターステラー』『ぼくのエリ』『ダンケルク』のホイテ・ヴァン・ホイテマでした。ははあ、それで。なるほど・ザ・ワールド!!


と昔なつかし昭和ネタをぶっ込んだところで今回のレビューを終わりたいと思います。
せっかくはてなブログProにしたので、試行錯誤しながらレビューの書き方も少し変えてみました。今後ともよろしくお願いいたします。



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