ガツンとくるやつ、ください。

新作・旧作・ジャンル問わず。海外映画が好き。作品により多少のネタバレ含みます。

アルキメデスの大戦

f:id:madamkakikaki:20200822163010j:image

アルキメデスの大戦 (2019年 日本) The Great War of Archimedes


アニメ『宇宙戦艦ヤマト』に痺れまくった子供時代。「日本には本当に戦艦大和があったんだよ」と親から聞いて、巨大戦艦カッケー!日本すごいな!なんて戦争の何たるかも知らず無邪気に喜んでいたあの頃を思い出します。

冒頭のVFX映像はなかなかよく出来ていましたねえ。沈みゆく大和と乗船員の悲痛な叫びがよく表されていました。血で染った海水がダーッと流れるあたりは (演出として)良かった。
大砲を撃つところはさすがにCG感が拭えませんが、まあ仕方ないでしょう。自衛隊全面協力のもと思う存分火薬を使いました、なんてことは無理だもんね、日本ではね。

山本五十六(舘ひろし)は来たる航空戦を見据えて空母を増強したかったわけで、戦争をしたくなかったのでははないんですよね。あの人は根っからの軍人ですから、勝てる戦をしたいわけです。
結局、天才数学者の櫂(菅田将暉)は戦争を止めるために山本に協力したはずなのに、はからずも大和という史上最大の戦艦を生み出してしまった。

大海原に出て行く大和を見ながら涙を流す櫂の姿が非常に印象的でした。
そして、こういう映画をみるたびに当時の軍部がいかに愚かで、日本国民がいかに井の中の蛙であったかを痛感します。

終盤で平山造船中将(田中泯)が櫂に大和の模型を見せながら真意を語るシーンは背筋の凍る思いがしましたね。そうでもしなければ大艦巨砲主義の幻想から国民の目が覚めないとは何たる皮肉。
櫂のエピソードはフィクションではあるけれど、やはり当時の多くの国民が「大日本帝国マジ最強! 連合艦隊は絶対沈まない!」なんて思っていたわけでね、今でこそバカじゃねえのと思いますけど、戦争ってのはそういうもんです。人の頭をバカにするんです。

演技力の高い豪華なキャスト陣で、架空戦記としてとても面白く観ることができました。
わたしは昔から(『あぶない刑事』のときから)舘ひろしが好きなんですが、本作で一番最高だと思ったのは柄本祐です。ほんとこの人はいい演技をしますね。親ゆずりかな。國村さんも良かったね。



アルキメデスの大戦 DVD 通常版

アルキメデスの大戦 DVD 通常版

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2020/01/22
  • メディア: DVD